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モルモット飼育法‐初心者

外部寄生虫症(がいぶきせいちゅうしょう)

モルモットの皮膚異常で、脱毛などがみられる場合、まず心配しなくてはならないのが寄生虫です。モルモットの寄生虫は他のペットと同様に皮膚に寄生するものと、体の内部に寄生するものがありますが、皮膚病として現れるのは外部の寄生虫です。寄生虫の中でも一般的なノミやシラミの類は皮膚表面からモルモットの体液を吸うため、不快で痒い様子を見せてもそれほど深刻な状態ではありませんが、ダニの仲間では、皮膚に穴をあけて寄生するものがあり、モルモットセンコウヒゼンダニ症では、あまりにも痒く、皮膚の奥まで症状が進行し、狂ったような痒がりや、ショック状の痙攣(けいれん)を招いて最悪死んでしまうケースもあるようです。

モルモットの寄生虫および症状としては、ハジラミ、ズツキダニ、センコウヒゼンダニなどの寄生が多く、痒みや抜け毛といった症状の他、原虫の目視観察が可能という特色があります。寄生虫症を正しく診断するために、虫体の目視観察も行いますが、セロハンテープを使い寄生虫を固定し検鏡するといった方法を用いる方もいるようです。
また、毛包虫というダニの寄生によって、痒みの無い皮膚病を起こすものもあります。毛包虫の寄生の場合、頭部や口周辺が赤く変色し、毛が抜けてきます。

モルモットハジラミ症
シラミには人畜共通で寄生するものがありますが、モルモットのシラミ(ハジラミ)の場合は人間には寄生しません。ハジラミはケージでつかう牧草などから、あるいはモルモット同士の接触で寄生するといわれています。飼育下では、特に幼若な個体に多発します。毛を注意深く分けて観察すると白い小さな虫体が観察できます。
特に耳の周囲に寄生することが多く、重症になると皮膚の色艶が失われ脱毛やフケ、痒みなどがみられます。

モルモットズツキダニ症
Chirodiscoides caviaeの寄生によります。虫体は毛深く扁平で細長く、体長0.3-0.5mmと小さいものです。軽症では症状もみられませんが、体全体に寄生しやすく、ひどくなると会陰部や臀部に脱毛などの症状があらわれます。

モルモットセンコウヒゼンダニ症
Trixacarus cavaieが寄生虫です。虫体は背に多数の三角形の鱗状のしわがあり、背毛は細めです。体幹腹側縦央や四肢部に脱毛や痒みによる掻き傷がみられ、重症では見るからにボロボロとやつれた状態になり二次感染の併発が見られます。症例では食欲不振や体重滅少、痒さによる痙攣(けいれん)や衰弱がみられ致命的な場合もあります。

その他ノミに起因するアレルギー
あまり多くはないのですが、他のペットなどから移ったノミによっておこることが知られています。この場合、背中からお尻にかけて毛が抜ける事が多く腰のまわりや四肢付け根の脱毛がひどくなることがあります。

外部寄生虫の駆除はシャンプーなどにより寄生虫を除去する方法や、駆虫薬で駆除するのが一般的です。殺ダニ剤や滴下式駆虫薬は良く使われています。ハジラミなどはシャンプーでもなかなか除去できないため、駆虫薬を用いた方がいいかもしれません。

駆虫薬は他の動物(犬猫用)などは、モルモットの強すぎるばかりでなく猛毒性のある薬もありますから、自家療法は控え、専門の獣医師に相談することが必要です。いうまでもありませんが、寄生が見られたらケージそのものや他の動物との接触も控え、飼育環境ごと駆虫するようにします。脱毛や病変が見られたモルモットには、二次感染防止のため抗生剤治療も行います。


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