menu

モルモット飼育法‐初心者

呼吸器・循環器疾患について

モルモットは飼育環境が大切だとよく言われます。モルモットは環境が原因で体調をこわすことが多く、モルモットの病気を誘因する原因といっても良いでしょう。

その中でもモルモットの呼吸器・循環器疾患は、飼育環境が原因で発生する最も代表的な疾患です。また、罹患すると命にまでかかわる重大な影響を及ぼすことが多いものです。

まずモルモットの呼吸器の病気として肺炎・気管支炎・鼻炎などがあげられます。空気感染の原因でもある
肺炎球菌(Streptoccus pneumoniae)や
気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)などは、感染すると、肺などの酸素を調達する重要な器官の粘膜が傷つけられ、より重度な症状に進行し、全身症状により致死が見られる場合があります。

誘発される症状は、鼻汁、発熱、呼吸不全、食欲減退、衰弱、さらには内耳炎や子宮内膜症も発生します。

気管支炎は他のペットからも感染しやすいのですが、モルモットの場合は重症になりやすく、かなり高い確率で気管支敗血症を併発します。ウサギなどの菌と同じものなので、近くにウサギがいる場合、罹患の危険が大きいとされます。

連鎖球菌症菌(Streptococcus zooepidemicus)の感染症の場合、急性感染では眼脂(めやに)、膿性鼻汁が観察され、慢性的に体重減少、結膜炎、体表リンパ節、特に頚部リンパ節が腫脹し触診で気づくことがあります。

また、不潔な環境では糞尿や食べ残しから発生する臭いにおい(アンモニアなど)が呼吸器粘膜を刺激し同様な症状を誘発することがわかっています。

モルモットは呼吸器の疾患の他にも、血液循環系や泌尿器官系の病気があります。症例の多くは全身症状を伴うものですが、心臓疾患などは、軽度なうちは顕著な症状がわからない場合もあります。

膀胱炎、膀胱結石などはモルモットに比較的多くみられる疾患で、慢性ではほとんど症状がなく進行に気がつかないまま血尿、生殖器からの血性の排出物、ケージ内で血液付着などから発症を疑われることが多いものです。

結石の組成は、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムアンモニウムやリン酸カルシウムであり、レントゲン検査、尿検査を必要とする場合があります。

昨日まで元気いっぱいだったモルモットが突然食欲が無くなるという症状として腎不全が疑われることがあります。原因は細菌の感染や栄養素の偏りで腎臓の細胞が破壊されるために腎機能が失われてきます。

腎不全はその初期にはほとんど症状が見られず、症状が現れたころにはかなり病気が進行していることが多いので発見が遅れる場合があります。慢性腎不全では腎臓の機能の約75%が失われてしまうまで症状が出ないことが多く、治療などの状況をさらに悪くしています。

主な症例では

  • 初期・・・多量の水分摂取、尿の頻尿
  • 中期・・・食欲減退、体重減少、衰弱
  • 後期・・・睡眠が頻繁、便秘になる、体がむくんでいる
  • 末期・・・貧血、口臭、痙攣、重度の昏睡

となり、末期に近づくにつれて治療が困難になります。腎不全のような循環器の異常は血液検査などで早期から簡単に診断することができます。

呼吸器・循環器疾患の対策は、早期発見に尽きるでしょう。一般に「カゼ」と似たような症状の場合は、まず呼吸器疾患を疑うべきですし、食欲や水分の多飲、異常な糞、血尿などが有る場合には循環器疾患を心配する方がよいでしょう。レントゲンや血液検査など、初期の段階から発見できることが多いものです。なるべく早く専門医に相談してみるのが良いでしょう。


実は簡単!モルモットの臭い対策、サッとできる臭い消し
モルモットに適している飲み水はコレだけ!


関連記事

Top