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モルモット飼育法‐初心者

内分泌性脱毛(ないぶんぴつせいだつもう)

考えられる原因と症状
モルモットの脱毛症状の中でも、感染とは異なる経路をもった脱毛症状があらわれることがあります。例えば、モルモットが出産後に脇腹の毛が薄くなってきたり、脱毛が見られるようになったりすることがあります。雌のモルモットの場合には脱毛部分が体の左右で対照的に見られることがあり、このような症状では性ホルモンなどの内分泌性脱毛であることが多いようです。境界がはっきりとした、原因不明の脱毛が見られる場合には、性ホルモンの異常が疑われます。

放置しておいても自然に回復する場合もありますが、患部が脱毛したまま、赤くかぶれて雑菌による二次感染に進行することも多いです。内分泌性脱毛では、モルモットが痒がるといった症状も見られず、食欲も問題ありません。症例では1月程度で脱毛がもとに戻ることも報告されています。

内分泌性脱毛の原因は、モルモットの体内代謝の調節をおこなう器官やホルモンといった内分泌に関する異常が毛や皮膚の健康を妨げていることが考えられます。内分泌の異常は、出産(妊娠末期~出産後)といったホルモンバランスの均衡が乱れる場合や、子宮筋腫、子宮ガンなどが原因で発生します。このような場合には特に発症が体の両側対照部で見られるような脱毛を呈するようです。

モルモットは卵胞嚢腫がおこりやすく、この場合は境界の明瞭な脱毛が見られ、卵胞嚢腫に起因する性ホルモンの異常と考えられます。

副腎皮質機能の異常による脱毛もあります。副腎皮質機能が強過ぎる副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の例では、足の脱毛は起こりにくく、足以外の部分で継続的に毛が抜けます。この場合、皮膚は全体的に黒ずみ、水を多飲する特徴が知られています。

さらに、モルモットのストレスやビタミンC欠乏などの栄養状態、アレルギーが原因で内分泌性脱毛を発症することもあるようです。

モルモットは病理学上、人間の脱毛の研究材料として使われるほど、健康、その他の内部要因に敏感に反応し脱毛症状をあらわす動物です。人間がストレスによって毛の伸びが少なくなり毛の太さが細くなるといった臨床知見も、神経系やホルモン分泌系の機能が乱れた結果であることがわかったのはモルモットによる実験の成果だったそうです。

モルモットの内分泌性脱毛は、一時的な脱毛の場合には特に治療は必要としませんが、脱毛が回復しない場合には、副腎や子宮の病変、感染症といった深刻な病気も考えられますので、獣医に相談することになります。また、ストレスによる代謝異常(ヘアサイクル異常)も考えられます。専門医による診断的治療の例として、甲状腺関連の治療でヨード剤や、T4ホルモンを処方します。さらに皮膚や毛根に栄養を与えるためにビタミン剤や脂肪酸も補助的な目的で処方されるようです。


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