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モルモット飼育法‐初心者

モルモットの消化器疾患の特徴は、軟便、下痢など糞の異常が見られる事です。消化器が何らかの疾患で正常な働きができなくなり、その結果消化不良の状態が糞に現れます。さらに副次的に脱水症状や、体重減少が見られます。
モルモットは他の齧歯類(げっしるい)に比べて消化器疾患は少ない方ですが、症状が見られた場合には以下のような代表的な感染症なども考えられますので注意が必要です。

モルモットの消化器疾患の原因として大きく分けると、サルモネラ菌やカビ類の感染によるもの、寄生虫によるもの、薬剤や毒物、食物、異物によるもの、さらにビタミンC欠乏の4種類に分かれます。

サルモネラ感染症では、Salmonella enteritidis、S.typhimuriumが消化器に感染することにより、流産、下痢が発生します。さらに目などに結膜炎、眼脂がみられることもあります。大変致死性の高い感染症なので、若いモルモットでは症状が見られないまま、いきなり敗血症などをおこしてショック死する症例や、ストレスによる免疫低下で発症する例が見られます。

同様に消化器疾患感染症としてティザー病もみられます。この原因菌はBacillus tyzzerとされ、下痢が顕著に見られます。症例では食欲がなくなり、水っぽい下痢が頻発し衰弱します。下半身が下痢のため汚れて不潔になり死亡することもあります。

モルモットの内部寄生虫による消化器疾患も見られます。その中でもモルモット蟯虫(ぎょうちゅう)(Paspidodera nucinate)は盲腸を中心とした寄生が特徴で、無症状な場合が多いのですが、発症すると成長不良や体重減少が見られるものです
。同様にコクシジウム(Eimeria caviaega)は、肉眼で見えない微細な原虫で、普通に寄生していても発症は見られないのですが、若いモルモットを輸送するなどのストレスが起因して、下痢を発症することが知られています。

モルモットの飼育下で起きやすい消化器疾患としては、薬物、毒物、その他食物などの原因が考えられます。症例では、モルモット長毛種で見られる毛球症があり、消化管の中で毛玉が膨らみ食欲不振、無便、消化管ガスで消化不良となり、さらに水しか受け付けなくなるもので、体重減少から衰弱、無気力、鼓脹症、脱水、低体温症、ショックなどの症状が見られます。

薬物ではグラム陽性菌用の抗菌剤の使用でClostridium属の増殖の結果、毒素による下痢や食欲不振が見られたという報告があります。
モルモットはお腹がへるとキューキューと催促してかわいいものですが、人間のお菓子やクッキーなどつい与えてしまうと、お腹をこわして下痢になる場合があります。原因はモルモットの餌には豊富な繊維質が必要なため、繊維の少ないものは消化不良となる場合が多いので、これも注意が必要です。

ビタミンC欠乏症は、栄養障害による消化不良です。症状は臭い軟便や、足を引きづったり結膜炎や歯肉炎なども見られます。

モルモットの消化器疾患の治療は、原因によって異なりますが、細菌類の感染には、サルファー剤などの薬物投与が一般的です。寄生虫に関しては駆虫剤を用います。さらに接触感染を防ぐためにケージの消毒や駆虫も行います。異物、毒物に関しては、モルモットが接触しないような工夫をすることが大切です。

病原性、寄生虫は専門の診断が必要で、さらに毛球症などは、レントゲン検査なども必要になりますので、専門獣医に相談することになります。毛球症はこまめなブラッシングで防止効果があります。消化器感染は健康体ならば発症しない場合も多いため、ビタミンCなどの欠乏やストレスを防ぐことで予防効果があります。


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