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モルモット飼育法‐初心者

モルモットの泌尿器疾患は、大別すると腎疾患によるものと膀胱・尿路疾患があります。
一般に尿に血液が混じる(血尿)症状を発症するものは、尿の生成経路である腎臓をはじめ、膀胱、尿路の異常であることが多く、モルモットには比較的多い病気と言えます。

腎臓は血中の老廃物や毒素を濾(こ)しとる役目をもっていますが、腎臓組織はかなりデリケートな器官であり、栄養素の偏りやストレス、尿道などから侵入する細菌の感染により、腎炎及び腎不全を発症したりします。

最近の知見ではモルモットの口内の歯周病が慢性化することにより糸球体腎炎を引き起こすことが知られています。腎炎になった状態でも顕著な症状がでるまでには、かなり病状が悪化しなくてはわからない場合も多く、元気だったモルモットが突然食欲が無くなるという症状が見られた時にはすでに、かなり病気が進行していることが多いので発見が遅れる場合があります。

慢性腎不全では腎臓の機能の約75%が失われてしまうまで症状が見られないケースも多く手遅れとなることも多い病気です。腎不全で併発する尿毒症は食欲不振・慢性の吐気・脳の機能障害などを併発しモルモットの寿命を縮める結果となります。

膀胱・尿路疾患は、通常でもモルモットの尿がアルカリ性であり、カルシウムが多量に含まれていることから、カルシウムの停滞による結石関連のトラブルによるものです。

実際に健康体のモルモットの尿であってもカルシウムで白濁しています。膀胱や尿路で形成された結石は周辺組織を傷つけるだけではなく、二次感染や排尿障害などで強度の痛みを伴いますので、モルモットには特別に辛い病気とも言えましょう。

中高齢個体(3歳以降)では、カルシウム系のリン酸カルシウムやシュウ酸カルシウム結石症を頻繁に発症し、結石は尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)のあらゆる箇所で見られます。

泌尿器疾患の代表的症状は血尿として確認されますが、これは腎臓・膀胱・尿道などで発生した結石や炎症による出血により血液が尿に混じるためです。

そのためピンク色をした尿やケージ内の床などに血液が付着することなどから発症を知ることができます。尿をティッシュにさらしてみるだけで、血液が混じっている尿は明らかに色が赤みを帯びていることがわかります。

さらに細菌感染による炎症、腎不全などがある場合には尿が濃くなり臭いも強くなります。特に腎臓の炎症ではこの傾向が顕著です。腎臓疾患には細菌感染や結石がありますが、似た症状を呈するのは腎臓腫瘍である場合も考えられます。

沈黙の器官といわれるように、かなり悪くなるまで症状が出ませんので、日頃から尿の異常などが見られた場合には、尿の潜血検査、血液検査やエコー、レントゲンなどが利用できる獣医師に相談したいところです。熟練した獣医師では触診により結石の有無あるいは腫瘍の位置の判別を行います。


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