モルモットとのお別れ
モルモットに限らずペットとして飼われている動物は、いつか必ず別れがやってきます。モルモットの元気が急に悪くなったので、獣医さんに相談したところ、もはや手遅れです、治療効果も期待できませんので、どうしますかと言われることもあるようです。
ここでは、突然に、しかし必ずやってくるかわいいモルモットとの別れについて考えてみることにします。
モルモットはデリケートな動物ですから、いろいろな病気になります。それでも日頃からよく観察していれば、滅多に致命的な病気にはならないでしょう。
しかしそれでも寿命は人間と比してとても短いものですから、数年のうちに老いて、いろいろな病気になりやすくなります。歯の病気などのように食事も思うように摂れず、痛みも激しく、一度かかると快復しない病気もあります。
人間と同様モルモットもガンが多く、手術が難しいこともあって、延命措置しか方法がない場合も多いようです。
野性の動物は死期が近づくと自分でもわかるようで、多くの場合、物陰や静かな場所に移動してひっそりと死を迎えるということが知られています。
ところが、生まれた時から飼い主の世話になっているペット、モルモットではどうなのでしょうか。
事例では、モルモットの不正咬合で何度も獣医さんで治療した後、もうあきらめた方がいいねと宣告された飼い主の話でしたが、モルモットが餌を食べたくても痛みで食欲が起こらない、それでも飼い主さんの方を見て、何か訴えるような仕草でじっと見つめるそうです。
飼い主さんも強制給餌をおこなって薬なども与えてみますが、さらにだんだん衰弱してきて痩せてくるのです。それでも死ぬ直前まで飼い主さんの呼びかけに答えるかのように目を開けてキュウキュウと鳴いてくれたそうです。
たいへん痛ましい話ですが、モルモットを飼うという意味はこのような場面も当然含まれていることを心に留めておくべきでしょう。
お別れまでの準備
では、別れに際してモルモットにしてあげられる事とは、具体的にどのようなものでしょうか。
前述の事例のように、死に際まで見取ってあげるだけの勇気があるかといった問題でもありますが、モルモットの痛みや苦しみを考えると、安楽死という選択も必要です。
最後まで面倒を見るか、安楽死を選ぶかは、飼い主の判断に委ねられますが、これは第三者である獣医さんの助言を参考にして決める方が良いかも知れません。
お別れでは、飼い主とモルモットの心の繋がりが最も大切な事なのですが、最後まで面倒を見るということが、飼い主には無理な場合があります。安楽死の妥当性などについて判断ができるのは、むしろ獣医さんである場合が多いのではないでしょうか。
また、モルモットは飼い主さんだけではなく家族や周囲の方からも愛されてかわいがられていたのです。モルモットがどうして死ななくてはならないのか、死に逝くペットをどのようにいたわり、対応するのがよいのか十分話し合い心構えをすることが大事です。心構えの中には安楽死といった選択肢も含まれます。
動物の安楽死については動物保護上の問題なども存在します。しかし、道義上の是非は別としてモルモットについても一番楽に逝けるような方法といったものも報告されています。
これはモルモットが本来実験動物として人間の役に立つために犠牲になった際の知見によるもので、苦しみの無い安楽死手順といったものも報告されています。本来は獣医さんの専門分野ではありますが、飼い主さんも知っておくべき事でしょう。
モルモットで行われる方法には、バルビツレイト静脈または腹部注射、炭酸ガス吸入、頭蓋打撲などが使われているようです。頭蓋打撲はコストもかからず確実ですが技術が必要なため失敗をした場合の事も考慮して、ガスや毒物注射が一般的なようです。
安楽死の留意点として、
(1)処置前に動物に不安感を与えないよう静かな環境を整え、やさしく固定する。
(2)見た目の悲惨さよりも、意識を確実に失うような処置を優先する。
(3)苦痛を伴う処置はしない。冷凍や煮沸、頚椎骨折などは避ける。
(4)人間側の安全も考慮する。電気や引火性のある麻酔薬は危険。
(5)処置後は死亡の確認を確実に行う。獣医さんが必要。
お別れが来たら
モルモットが逝ってしまったら、大事な友人として冥福を祈りましょう。飼い主さんの中にはホームページなどで生前の写真や思いでを紹介している方もいるようです。
最近では動物専用の葬儀や埋葬施設などもありますし、庭などに埋葬する飼い主も多いようです。埋葬をする場合には直接遺体を埋葬することは良くありません。衛生上の理由から火葬による遺骨しか埋葬できませんので注意してください。
あらかじめ獣医さんに遺体の処理なども確かめておきましょう。
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