モルモットには腫瘍などの疾患があります。「瘍」とは一般に「おでき」などのようにモルモットの体に発症する「できもの」を指しますが、普通は腫瘍などのように、体表に発生するもの、また体内の各器官に発生するものなど種類は多く、それぞれ原因が異なるのが普通です。
症状としては体の一部分に膨らみが生じ、一般の正常細胞とは異なる細胞が増殖し、放置しておくとさらに肥大することが多いものです。これは一般に癌ともいわれますが、腫瘍には周りの組織に悪影響を与えるものと、そうでないものがあり、それぞれ悪性腫瘍、良性腫瘍という分け方もあります。
モルモットに良くみられるのは、生殖器関連で代表的な乳腺腫瘍(乳ガン)や、体表面に現れやすい毛包腫、リンパ系の血液の癌である白血病などが知られています。
腫瘍の原因はよくわからない事が多いようです。癌細胞の発生には遺伝的な要因や、環境ホルモン、内分泌性の要因、そしてウイルス感染などが考えられています。
また、慢性的な刺激によっても発生するという報告もあります。細胞の正常遺伝子が、何らかの原因で異常な状態となり、それが成長していくのが腫瘍とされています。
腫瘍は良性・悪性の診断は、専門の獣医さんに診察してもらわなくてはなりませんが、悪性などの場合には、食欲が次第に低下してきたり、痛みが伴うようになり、摘出手術などが必要になります。
放置によって他の器官にも転移したりしますので、主要器官や白血病などは罹患しますと治療による回復は難しいことが多いようです。
悪性腫瘍の治療は、ほとんどの場合は患部の外科的な手術を行います。この場合にはモルモットの麻酔が必要になりますが、モルモットは麻酔に対してデリケートなので、手術が困難な場合は、延命措置などが行われます。
症例では悪性と思われた腫瘍が高年齢で手術困難とされ、経過観察しか行われなかったのですが、食欲、体力も衰えることがなく、その後、良性であったとされた例もあります。
腫瘍の多くは原因もはっきりとしないため、予防の方法といったものも、これといったものがありあせん。しかし体の抵抗力や体内の活性酸素の状態で、癌になりやすい体調や体質があるのではと考えられています。
このような観点から活性酸素を抑制する物質としてビタミンCなどが有効とされる説もあります。モルモットはビタミンC欠乏症などで、様々な病気になりやすい動物です。
まずは健康力の維持からもビタミンが多く含まれる新鮮な餌などは日常的に与えたいものです。
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