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モルモット飼育法‐初心者

転移性石灰化の症状
モルモットの老齢個体に比較的多く見られる症例として転移性石灰化という疾患があります。名前のように、本来体の組織である部分が変性し石灰化様相を呈する病気です。

一般に1歳以上のモルモットに多く現れ、最も顕著な症状としては、胃などが石灰化し消化機能が次第に低下して、食事が滞るようになります。この場合外側からの触診でも胃部が硬くなっていることがわかります。レントゲン検査では体内組織の石灰化がよくわかりますので患部の状態や進行度合いも確認できます。

症例では、4歳のオスのモルモット(動物園飼育)が次第に痩せてきて、ビタミン投与の効果も見られず2ヶ月で死亡した例ですと、肺や消化管に石灰沈着がみられ、転移性石灰沈着症と診断されています。

このように転移性石灰化が発症しますと、快復は困難な場合が多く、重症の場合は衰弱による死亡となりますが、軽症であれば、それ以上進行しないような対策が期待できます。

考えられる原因
転移性石灰化の原因は、栄養バランスの悪い(カルシウム含有量が多く、リン含有量が少ない)餌によるものと考えられています。

モルモットは特にカルシウムの代謝がうまくいかないトラブルになりやすく、餌の取り方で血中や尿中のカルシウム含量が多くなりすぎる場合が多いため、結石や尿石といった病気にもなりやすいものです。

転移性石灰化の原因もこのようなカルシウムが体に蓄積され、組織に停滞し異常な石灰化をひきおこすと考えられています。

カルシウムの停滞は徐々に悪化するもののようで、若い個体では転移性石灰化はあまりみられませんが、老齢になると多発することが多いのは、やはり代謝異常が長期化・慢性化した結果、最終的に発症するものと考えられそうです。

また、幼少のモルモットではカルシウムが骨の成長などでさかんに消費されるので問題がないのですが、老齢になりますと骨の発育も一段落し、逆にカルシウム過剰な状態になるとも考えられます。

転移性石灰化の対策としては、カルシウムの高い餌を控えるような栄養管理をおこないます。また、過剰なカルシウムが体外に排出されやすいよう、十分な飲料水を与えることで予防が期待できます。

モルモットは各個体で餌や水の取り方に癖がありますので、多頭飼育などで一律な栄養管理を行う場合には、注意が必要です。

モルモットの食習慣はかなり幼い頃からしつけなくては、一度定着してしまうとほとんど変更できないようです。普通はカルシウムやミネラルの含量ができるだけ少ないものに餌を変更しますが、繊維質などが多い餌を工夫するだけで、相対的に過剰なカルシウムの摂取を抑える効果もありそうです。

ビタミンCは骨や体組織のスムーズな代謝にも効果がありますので、カルシウムの異常停滞を防ぐ働きも期待できそうです。


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