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モルモット飼育法‐初心者

皮下膿瘍(ひかのうよう)

主な症状
モルモットの皮膚病には皮下膿瘍と呼ばれるものがあります。モルモットの体にしこりのような変化が見られる場合、腫瘍(皮脂線腫を含む)、血腫、膿瘍が考えられます。しこりを触診してみて、コロコロ、コリコリとしているなら腫瘍、やわらかくぷよぷよな場合には血腫や皮下膿瘍が疑われます。皮下膿瘍では皮膚表面近くでは水膨(ぶく)れのような症状が観察される場合もあります。

皮下膿瘍の原因
皮下膿瘍や血腫の原因は、自分で傷つけたり他のモルモットと喧嘩して皮下に血や膿がたまってしまうことです。全身どこでも発症しますが発症しやすい部分として、背中より腹側が多く、口や鼻の周辺や中、耳の中や後ろ、脇や脇腹、股周辺、四肢末端などに多く見られます。
血腫の場合には、次第に組織に吸収されて消滅してしまうものもありますが、膿瘍の場合は化膿菌により膿が形成されているので、放置しておいていいというものではありません。症状が進むとさらに肥大して大きくなったり、周辺組織が壊死して患部が陥没したり破裂し二次感染症を併発するおそれがあります。

治療法
皮下膿瘍の治療としては、患部に溜まっている膿を抜き取る事から始まります。大きな場合は注射器で吸い出したり、小さな部分は周辺を消毒してから針などで刺して、膿を押し出します。この時、針は炎でサッと焼いたものを使用してください。膿の排出が確認できたら、傷口を消毒、できれば縫合などで閉じるなど処置が必要です。処置後の患部は壊死組織の除去を目的とした焼烙(しょうらく)などを行い肉芽組織の再生を早めることができます。処置後はモルモットが自分で触ることのないよう傷口を保護し、清潔な環境で回復を待ちます。

自家療法の例としては比較的皮膚の浅い部分で小さなものであれば、モルモットを布やスポンジでソフトに固定し、患部を直接ハンダゴテで焼きます。いきなりあてると熱くて痛むため、感じない程度にチョンチョンと少しずつ焦げる程度で気長に繰り返してコテをあてますと、神経も熱で死んでしまい患部の痛みは無くなります。溜まっている膿はコテに当たると焦げて煙を出しますが、膿瘍全体が白く煮えあがったように見えるところで処置を終えます。後は、患部だけが自然に剥離して、傷も速く直り、以後経過も良いようです。

最初にも述べましたように、皮膚のしこりから考えられる症例のひとつとして膿瘍をご説明したのですが、似た症状には腫瘍もあり、これには悪性腫瘍、良性腫瘍、皮脂腺腫などがありますので、やはりこのような異常が認められたときには、素人判断は控えて早めに専門獣医の診断を受けるようにしましょう。


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