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モルモット飼育法‐初心者

頸部リンパ節炎(けいぶりんぱせつえん)

主な症状
頸部リンパ節炎はモルモットに特徴的な病気です。名前のようにモルモットの顎の下や頸のリンパ節が大きく腫れてくるので診断できるのですが、この病気の特徴として、他の体表リンパ節には異常が認められないことから特定できます。触診で簡単に頸部リンパ節の腫大が触知されるのですが、判定にはリンパ節からの菌分離を行う必要があります。
発症例では顎下や頸などに1個ないし数個のしこりが確認され、しだいに大きくなってくるようです。急に元気がなくなる、餌を食べないという状態ではなく、飼い主もノドボトケなのかなと放置していた例もあります。

発症したモルモットの頸はクルミ大に肥大し、リンパ節には白色の膿汁が見られ、内臓や筋肉、全身の組織さらには脳にまで膿瘍を併発する原因となったり、悪化して敗血症を併発、死亡する場合もあります。但し、慢性的な頸部リンパ節炎もあり、無症状を呈する場合もあるそうです。

考えられる原因
頸部リンパ節炎の発症原因は不明とされています。炎症の原因菌はStreptococcus zooepidemicusというグラム陽性菌(連鎖球菌)で、健康なモルモットの呼吸器にもいるものです。どのような経路でリンパ節に感染するのかはよくわかっていないのですが、口内の傷が原因となって感染するのではないかと考えられています。この頸部リンパ節炎の発症に伴い、モルモットの頬の内部が肥大炎症を起こしていたケースも報告されています。
モルモットの口内の傷といえば、不適切な固い餌や、歯の異常成長に伴う感染症などが考えられます。牧草が原因ともいわれていますが、確証はありません。

頸部リンパ節炎の治療法
治療方法は一般的に抗生物質の投与を行います。さらに患部を特定できる場合には注射器などで膿を吸い取りますが、重い膿のため吸引困難な場合も報告されています。症例では膿は濃厚なクリームチーズ状や黄色い液状を呈することが観察されています。抗生物質も効果が現れない事も多く、ペニシリン耐性菌などの問題も存在するようです。完治も困難なケースが普通です。抗生物質の効果も見られず全身症状にまで進行したもの、敗血症など重症のおそれが考えられる場合には、最終的にリンパ節摘出手術も行う必要があります。

予防法
発症してからでは完治の難しい頸部リンパ節炎ですから、発症を未然に防ぐことが大切です。そこで、日常の餌は口を傷つけないような牧草などの乾草や干草、をよく吟味し硬い茎は除いて与えた方がよいでしょう。また、定期的に頸まわりを触診してしこりや異常などがないか確かめてみることも必要です。


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