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モルモット飼育法‐初心者

乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)

乳腺腫瘍の症状
モルモットの腫瘍疾患として知られているものに乳腺腫瘍があります。厳密には区別があるようですが、乳癌、乳腺内腫瘤と呼ばれたり、乳腺繊維線腫などと呼ばれますが、だいたい同様のものと考えて良さそうです。

モルモットの乳房は一対(二つ)なので、鼠径の付近の腫瘤は乳腺腫瘍を疑う必要があります。病理学的には乳管上皮由来の悪性腫瘍性病変(乳癌)の浸潤性増勢ともいわれ、腺管癌のカテゴリに属します。

乳腺腫瘍には良性の繊維腺種や悪性腺癌があります。原因はよくわかっていません。最近の知見によりますと、ダイオキシン類、環境ホルモンなどがが内分泌系をかく乱して発症が見られたという報告があります。

普通乳首あたりの腫瘍などで異変に気づくことが多いのですが、周辺症状としては、足の付け根などが肥大してきて、触診でもしこりなどが確認されるようになります。

乳癌では組織内に嚢胞状に拡張する部分(多結節状増生)が形成されます。症例では、食欲も問題なく、その他元気もあるモルモットでしたが、触診により、左右の乳腺内に大豆大の硬結した腫瘤と乳管内の乳汁貯留が確認された例があります。
この場合、悪性か良性か診断する必要があったのですが、飼い主の希望で摘出手術で左右の乳腺内腫瘤の摘出手術を2回に分けて実施したようです。

その後は問題なく回復しているようです。乳腺腫瘍は放置しておくと破裂して大出血した例もあるようです。

考えられる治療
治療には、通常は周囲のリンパ節、腹部臓器や肺に転移することもあるので検査が必要です。検査後、患部の特定が終われば、その後は外科的な手術で病巣部の組織を除去することになります。

手術時または手術後は、局所転移がないかを確認するのに周囲の腺組織と所属リンパ節の広範囲の切開なども必要になる場合があります。

乳腺腫瘍の予防法といったものは特に知られていません。飼い主のできることは、普段からしこりなどに注意して、異常が感じられる時はすぐに獣医さんに相談した方が良いでしょう。

同様なしこりの症状を呈する物には細胞の変異が伴わない脂肪腫などもありますので病理検査が必要です。

悪性腫瘍の末期では、モルモットも人間も同様、メンタルケアが重要になります。

モルモットの苦しみをどのように和らげてあげられるのか、さらにモルモット周囲の飼い主さんや家族も死に対してどのような心構えをするのが良いのか、これは獣医さんでも相談になってくれるとは思いますが、やはり最終的にはモルモットと飼い主さんの心の絆が問われる事になるでしょう。


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