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モルモット飼育法‐初心者

不正咬合の症状
モルモットが急に餌を食べなくなるといった原因のひとつに不正咬合があります。
モルモットやハムスターなどのげっ歯類は歯が永久に成長する特徴があります。その理由は、自然の中で生活してきた時にエサは植物質・繊維質のものがほとんどで、歯が摩耗するのが当たり前だったからです。飼育環境ではエサの質、食べ方も自然と異なるため、不正咬合のような歯の成長の異常がおこると考えられています。

不正咬合は歯の噛み合せが悪くなる病気で、いったん不正咬合が始まるとお互いの歯の成長周期のバランスが乱れてしまうため、完治が困難で、放置しておくと栄養不足や歯茎、顎の骨への感染症、痛みで死亡しやすい病気です。

軽度の場合には、餌の食べ方が少し衰えたり、堅いものより柔らかな餌を食べているので、気づきにくいかもしれませんが、胸まで涎(よだれ)をたらしたり、全く餌を食べなくなると重体です。

考えられる原因
不正咬合の原因としては、主に繊維質の多い餌の不足のために、モルモットの歯が正常に摩耗できない状態で歯や歯茎の異常成長がおこることが知られています。
その他にも遺伝的なものやビタミンC欠乏などがありますが、本来自然界では3年程度の寿命の生き物なので、飼育下でしかも高齢になると発症しやすくなるようです。

主な治療法
治療法は軽度の場合には異常な歯の成長部分をペンチカットするのが普通で、獣医にお願いします。しかし多くの場合再発しますので、なるべく歯に負担を与えないように給餌してあげるのが一般的です。ですから毎日大変な手間がかかります。

歯のカットはモルモットに熟練した獣医が少ないので、これも大変です。また、定期的な手術となりますので麻酔や入院などの出費が大変な額(2万~10万円弱)になることもあります。
ですから、最初は入院し状況を見て安楽死という選択肢をしなければならない場合もあるようです。入院して薬剤投与はモルモットにとても負担があります。

不正咬合の予防法
では、不正咬合を予防することは可能でしょうか。基本的に繊維質の高いエサ(牧草)を与えることで、歯を摩耗させることが一番の予防法だといわれています。

また、できるだけバランスの良い餌を与え、ビタミンC欠乏を防ぐことで、発症を避けることができるという報告もあります。
餌については、医学実験用モルモット用に開発された餌があり、不正咬合の予防にも効くと言われています。

ビタミンC欠乏症は、歯の生育にすぐ影響します。いちど歯の発育異常が起こると、なかなか回復は困難です。牧草などをエサとして与えるのは繊維が固く不正咬合に有効と思われます。さらに牧草は消化器官の働きにも良いとされています。但し固く鋭い茎は口内の傷にもつながりますので、気を付けて与えないようにしましょう。


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